ジャーナリスト 堤未果 総選挙が近づいている。マスコミ各社は政局や支持率関連の報道などで忙しいが、今選挙で有権者が行うもう一つの重要な選択、最高裁裁判官の「国民審査」については、相変わらず殆ど出てこない。   学校で子供たちが習う社会科教科書によると、「国民審査」とは「主権者である国民が司法を監視する民主的制度」であるといった内容が書かれている。 だが授業で憲法を教えても、その「番人」を審査する唯一の手段である国民審査が機能していない事実とその理由について説明できる教師は、一体どれほどいるだろう?  ...