ジャーナリスト 堤 未果 2013年12月。3回目のウクライナ・キエフ訪問から帰国した、アメリカのヴィクトリア・ヌーランド国務次官補は演説の中でこう語った。 「ウクライナに対し過去20年間で50億ドルという金額を投資したアメリカは、同国にIMF「改革」の導入を要求するつもりだ」 ウクライナをロシアの影響下からEU側にひきこみ、欧米の近代的民主主義国家にすることが必要だという主張だ。 そして自体はその通りに進行してゆく。当時ウクライナで拡大していた欧米支援の反政府運動によって、ビクトル・ヤヌコーヴィッチ大統領は政権から追い出され、欧米寄りの新政権が誕生。IMF改革の導入を決定した。...
何が「報道の自由」に価値をつけるのか?
ジャーナリスト 堤 未果 パリに本部を構える国際NGO「国境なき記者団(RSF)」による「報道の自由度インデックス」が発表された。 世界180国における報道の自由度を順位付けした報告書だ。 ジャーナリストの安全への脅威は世界的に拡大している。 先日国連総会でジャーナリストの安全確保に関する初の決議が採択された際、RSFは国連に対し、加盟国が記者達の保護義務を果たしているかどうかの監視を国連に呼びかけた。 約十年前にブッシュ政権下における令状なしの監視システムが明らかになり、内部告発者エドワード・スノーデンの告発で政府による無差別監視が世界に暴露された米国は46位。諜報機関による世界的通信傍受と内部告発者への弾圧・脅迫は今も続いている。...